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2023/3/1

イベントレポート

【第1回】地域活動に役立てるためのクリエイティブ講座 「KIITO:300ファームスクール/デザイン編」

はじめに

KIITO:300ファームスクールは、地域活動や学生活動といった取り組みを進めるなか、広報や記録、イベントの企画などで悩みを抱える方々に向けた地域活動に役立てるための5テーマのクリエイティブ講座です。

第1回目となる今回は、講師に株式会社デザインヒーローの和田武大さんをお迎えし、デザイナーの視点から3時間みっちりご指導いただきました。
「デザインは伝えるための工夫です。」という信念のもとよく観察し、コツを学び、実際にやってみる、実践的な講座となりました。

まずは、和田さんの仕事内容や実際にデザインされた事例をご紹介いただき、デザインの仕事に関するイメージを深めます。

  

デザインの観察

続いて、早速ワークに入ります。
新聞折込広告を観察するワーク。テーブルごとに新聞広告のデザインを観察し、ベスト1・ワースト1を探します。
なぜそう思ったのか、理由もあわせて共有します。テーブルを超えてグループごとの気づきを発表しました。

  

ベスト1に選ばれた広告には、「季節感が伝わる」、「文字を読まなくても伝わる」、「言いたいことが一目両全」などの特徴がありました。
一方で、ワースト1に選ばれた広告には「単色刷りは人の顔がキレイに見えない、顔色が悪くみえる」、「情報量が多すぎて、何のチラシか分からない」、
「文字が小さすぎる」などの特徴が挙げられました。

このワークを通して、日常にデザインのヒントとなる材料が沢山潜んでいることを実感します。なにもチラシのヒントをチラシから得る必要はありません。
日常にヒントがたくさんあることを前提に意識してみる、真似してみることが大切です。
また、伝え方を間違えると伝わらないことを学びます。何を誰に、どのように伝えたいのかが重要。
伝えたい内容が変われば伝え方も必然的に変わっていきます。

デザインのコツ

後半戦でも、伝わるヒントをたくさん教えていただきました。
デザインは思いやりであり、「デザインはラブレター」であることを念頭に置きつつ、どこで見るの?どう使うの?と見る人の視点に立って考えることの大切さを学びます。
検証も忘れてはいけません。パソコンの画面だけで完結してしまいがちなところを原寸で印刷してみたり、ポスターは一度貼ってみたり、チラシは置いてみたり。
実際に置く、見る、触れる、渡すなど、実際のシーンをやってみることで新たな気づきが生まれます。

また、「聞くことは大事だが、いろいろな意見を聞きすぎるのはキケン!」と和田さんはおっしゃいます。
聞き過ぎてもわけがわからなってしまうので、うのみにしすぎないこともポイントのようです。そして、一度寝かしてみることも大切。
目をはなし、翌日改めて見てみるといろいろな気づきがあるそうです。また制限がある中でできる最大限のことをするのもデザインのおもしろさです。

  

デザインの体験

2つ目のワークでは実際にデザインをしてみます。素材を使ってポスターデザインを作成。
ルールは、すべての情報は必ず入れること。はさみとのりだけを使用して「切る」「貼る」のみでA3サイズのポスターをデザインします。
40分程の制限時間の中で、集中して手を動かし、観察し、思い思いにポスターを作り上げていきます。

  

最後は発表の時間です。
参加者のみなさんのポスターを壁に貼り付け、和田さんに気になるポスターを選んでいただきます。
限られた時間の中で細かい点までこだわる方、見た人が思わず「ん?」と思ってしまう内容を入れ込む方、自分の伝えたいことを大胆に盛り込む方、などなど
オリジナリティ溢れたおもしろいデザインが目白押しでした。

  

おわりに

総評とあわせて、「メリハリがあると見やすくなる」「情報には、優先順位がある」「デザインは面倒。細部に宿る」などの伝わるヒントを伝授いただきます。

デザインをする上で、意識的にいろんなものを見て聞いて観察すること、すべてインプットだと思ってあれこれ自分で考えてみることが重要だと学びました。
デザインは伝えるための工夫であることを念頭にデザインと向き合えば、より楽しくなるし伝わっていく、と和田さんは締めくくられました。

第2回目は2月5日(日)に編集編を実施し、講師はデザインスタジオパステルの高木大吾さんをお招きいたします。

地域活動に役立てるためのクリエイティブ講座「KIITO:300ファームスクール:初級編」
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